約 3,523,106 件
https://w.atwiki.jp/vahren_ency/pages/663.html
ここは勢力列伝、イベントシナリオなどを投稿する場所です。 新しい項目を作る時は以下の手順でお願いします。 +... 1、上部メニューから「@wikiメニュー」>「新規ページ作成」を選択。ページ名は内容に沿ったものにする。 2、列伝テキストの最後は一つ改行して下の三行をコピペする。コメント欄になります。 ---- #comment(size=60,vsize=2) ---- 3、「ページ保存」をクリック 4、下の項目欄の適切な位置にリンクタグのページ名を記述する。 (クリックで表示) 勢力/シナリオ 勢力 シナリオ1 フェリル党(設定案S1編) シナリオ2 フェリル党(設定案S2編) シナリオ3 アルナス汗国(設定案S3編) ナース水軍(設定案S3編) レオーム家(設定案S3編) ラザムの使徒(設定案:S3~S6) シナリオ4 S4リューネ&ラストニ(解説案) シナリオ5 アルナス・ウルス(設定案) アルナス・ウルス(設定案2) イオナ国(設定案) ラストニ・パクハイト(設定案S5編) S5リューネ騎士団(解説案) リュッセル・オーダー(設定) ルートガルド(設定案S5編) ロイタス・オーダー(列伝案) シナリオ6 アルナス・ウルス(S6列伝案) オステア国(列伝案S6編) 大フェリル(設定案) パーサ・パクハイト(設定案) ハルト国(設定案) ファルシス騎士団(設定案S6編) ムナード党(設定案) ローイス水軍(設定案S6編) シナリオ7 ラザム同盟(設定案) シナリオ フェリル党(s1OP案) アーシャ(S7光、IF光闇OP案) イオナ国(s6OP案) 穹廬奴(OP案) 穹廬奴(s2OP案) ルートガルト国(s3OP案) リュッセル・オーダー(S5・OP案) リューネ騎士団(セレン派)(s6OP案) リューネ騎士団(セレン派)(s6OP案2) リューネ騎士団(ミシディシ派)(s6OP案) リューネ騎士団(ミシディシ派)(s6OP案2) ファルシス騎士団(s6OP案) ムクガイヤED(人材付加案) レオーム家(同盟破棄ラムソン+案) ラストニ・パクハイト(ED案) ローイス水軍(s5OP案) ナース水軍(s2OP案) ガルガンダの民(s2OP案) ナシュカ(s4OP案) フェリル連合・s6フェリル統一ev案 マクセン(s5OP案) アイスマンvsドラスティーナ戦闘イベント案 (ドワーフグリーン同盟イベント案)案 ジオムvsガルガンダの民戦闘イベント案 ルールーニvsルグナナム戦闘イベント案 ヒュンターvsジェイク戦闘イベント案 グリーンvsムナード党戦闘イベント案 キュラサイト(S3OP案) ガウエン(S4OP案) . s7でミシディシとアーシャ&ルウェンダーと再会したときにイベントがあってもいいね。 ミルフォースは討ち死に? -- 名無しさん (2011-10-07 04 26 23) ユニットとスキル全然増えないな -- 名無しさん (2012-01-11 00 50 48) ページ名とメニューにユニットとスキルが無いため、足そうかと考えましたが 長くなってしまうのもアレなので別ページに移動しました。 -- 名無しさん (2012-10-01 23 55 36) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/vahren_ency/pages/959.html
コメント タイトル画面にしかいなかったよくわからないあの人がランダムシナリオに登場。その名も『タイトルガール』。カギカッコを含めてフルネーム。 能力は一般だが、カリン、エルカと異なり、CPUしか使えなかった一般魔法戦士を雇用できる。雇用はエルカあたりと恐らく同じ。 一般魔法戦士はクラスアップはしないが、四属性の魔法剣とCランク~Bランク魔法、アタックを覚える。 マスターでプレイすると一般魔法戦士をリーダーに出来てしまうため、なかなか強力。フリーズ弾幕は地獄。 -- 名無しさん (2013-01-28 02 42 46) 元ネタはRPGツクールのデフォルトキャラクターかな? 細部がアレンジされてるから違うかもだが いつか人材化するときはくるのだろうか・・ -- 名無しさん (2013-05-23 00 17 42) 恐らく本家FTのタイトル画面(OPをほっとくと出てくる)をオマージュするために置かれた子。 素材の配布元どこだったかな… -- 名無しさん (2013-06-25 08 43 29) 『ナカムラ大作戦』ってサイトの所の画像素材だった筈。 ツクール系の素材を配布していたサイトさんで、ブログで絵やツールの話題や絵の制作過程を紹介していたのを覚えてる。 サイトは現在封鎖している。 -- なみなみ (2013-06-25 21 00 51) 手は重装備、後はマントで守っているにも関わらず 肝心の正面は布1枚orむき出しという露出狂めいた格好をしている -- 名無しさん (2014-12-11 21 27 29) ↑↑↑あれはアルテナだよ -- 名無しさん (2015-07-25 15 54 08) 魔法戦士のわりにナルディア、オーティあたりの陪臣にできない 特別扱いなのか -- 名無しさん (2016-12-25 18 39 07) スキルが魔法戦士なだけで別クラスだから当然 -- 名無しさん (2016-12-25 21 45 32) 結局最後まで名前を貰えないまま開発終了してしまった -- 名無しさん (2020-03-14 20 14 49) 謎のキャラ -- 名無しさん (2023-04-30 11 07 21) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/vahren_ency/pages/1201.html
セレンADVでのみ登場する特殊陣営で、マスターはルー猫ことルーネン。腐女子パワーでアルティマイトの凄い版を召喚して暴れまわるが自滅する。 ルーネンの雇用セリフからボーイズラブが消えてしまったバージョン8では新規プレイヤーへの背景情報が足りないかもしれない -- 名無しさん (2023-11-15 01 02 11) セレンADVのコンセプトは百合なので対立陣営がBLという論理らしい -- 名無しさん (2023-11-15 11 24 59) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/vahren_ency/pages/993.html
story battle_humter_jeiku { friend = sc1 fight = on if(yet(battle_humter_jeiku) inBattle(jeiku, t_elf3) == 1 isSameArmy(jeiku, t_elf3) == 0 inPower(p9, jeiku) == 1 inPower(p12, t_elf3) == 1) { event(battle_humter_jeiku) } } event battle_humter_jeiku { stopBGM() scroll(t_elf3) playBGM(doukutsu) wait() talk(t_elf3, ……[[ジェイク]]翁。@あなたほどの人がいながら、$このような無益な争いを止められなかったのですか。) scroll(jeiku) wait() talk(jeiku, ……久しいな、[[ヒュンター]]殿。#本当に久しい。) talk(jeiku, 儂はこうも老いたが、[[エルフ]]というのは変わらぬな。@あの頃とまったく同じ姿だ。) scroll(t_elf3) talk(t_elf3, ………) scroll(jeiku) talk(jeiku, だが時代は変わった。@儂は単于に従う一人の将であり、$単于の意思はすなわち沼に生きる[[穹廬奴]]の民全ての意思。) talk(jeiku, 儂はそれに従っておるだけよ。@それが世の流れと言うことであろう。) scroll(t_elf3) talk(t_elf3, それは世を炎に包む流れです。@大陸を、この森を、そしてあるいは、$きっとあなたの故郷の沼も。) talk(t_elf3, 止めるべき流れでした。@あなたにはそれだけの知恵も力も有ったはず……) scroll(jeiku) talk(jeiku, そうかもな。@だが残念ながら穹廬奴という民は、$もとよりこういう風に生まれついているらしい。) talk(jeiku, 戦いたいのだ。@血を流したいのだ。@何かを壊し、滅ぼしたいのだよ。) talk(jeiku, そしてどうやら……#儂もきっと、そうなのだ。) scroll(t_elf3) talk(t_elf3, ……!) scroll(jeiku) talk(jeiku, この枯れた老躯の奥底にも、$戦いを望む穹廬奴の魂が埋火のごとく燃えておる。) talk(jeiku, あるいは儂も、望んでいたのかもしれん。@こうして戦いの中に生き、戦いの中に死ぬことを。) scroll(t_elf3) talk(t_elf3, ……もっと穏便な趣味をお持ちなさいな。@花はどうです。@野菜を育てるのも楽しいものですよ。) scroll(jeiku) talk(jeiku, ……#戦い飽きて、剣を持つ気も失せたならば。@あるいは、それもいいかもしれぬな。) scroll(t_elf3) talk(t_elf3, ……その時は、百合をいくらかお分けしますよ。) erase() playBGM() } ヒュンターは何だかんだで真面目なときは真面目な人だと思っています。 いいね! こういうの増えてほしい -- 名無しさん (2013-06-25 08 12 20) ヒュンター何歳なんだ?w トカゲも某戦闘民族的なアレで肉体が若い時期が長そうな気がするが -- 名無しさん (2013-06-25 14 14 30) ジェイク翁。あなたほどの人がいながら、このような無益な争いを止められなかったのですか。 鬼畜エルフを止められなかったお前が言うな。 -- 名無しさん (2013-06-25 15 44 04) 面白い!こういうの俺は好きだよ ジェイク先生の人柄とリザードの野性、両方とも損なってなくてすばらしい! -- 名無しさん (2013-06-26 02 23 32) t_elf3がただの変態から亀仙人みたいになってくな -- 名無しさん (2013-06-26 20 55 02) これ最高だった 今はないんだよね -- 名無しさん (2024-01-26 09 13 20) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/vahren_ency/pages/768.html
. 時はレオーム軍によるフェリル統一よりも前。まだレオーム軍の保護下とならない頃のホアタの地にて。人々は山野を埋め尽くす飢えたゴブリンの群れに怯え、逃げ惑うばかりであった。 「ヒャッハー!皆殺しだァー!」 「ご、ゴブリンだ!逃げろー!」 丘の上に数十の影があった。彼女たちは義賊。彼女たちのリーダーはナオーンという。 ナオーンが手を振り下ろし、合図をすると、義賊たちは丘を駆け下り、眼下のゴブリンの群れに襲い掛かった。 完全に虚を衝いた形となった。敵の一群に斬り込んだかと思えば縦横無尽に軌道を変えて、速度と技で相手を翻弄する。浅く斬り込んでは離脱し、予想もつかぬ位置に現れる。周りからゴブリンたちが集まってくるが、対応する隙を与えない。バターをナイフで抉るようにナオーンの義賊団はゴブリンの命を狩りとっていった。 「ふう。全員いる? 今回もどうにかなったわね」 ナオーンの戦術の冴えは目を見張るものであった。あれだけの大立ち回りをして彼女の一団からは死者どころか傷らしい傷を負った者も出ない。しかし、彼女の表情は勝れない。いくら腕が立つといえど自分たちは所詮盗賊だ。ゴブリンたちを殲滅するのに成功しはしたが、時間がかかりすぎた。その間に多くの民が死んだ。ルーニックからフェリルへ渡ったレオームの軍勢のようにはいかない。今や彼の軍勢はその名が聞こえるのみでゴブリンたちは一目散に逃げ出すほどである。やはり、このままでは・・・・・・。ナオーンにも理念があった。今は亡きフェリルの代官は自城の防衛のみに専念し、ホアタや辺境の山村への救援はほとんど行わなかった。自分たちのような国家権力とは関係のない勢力は必要である。民を助け、義を成すために。 レオームがホアタおよびフェリル全土を制圧するとナオーンもまたレオームの軍門に降った。軍師ドルスの耳目、手足としてその技を発揮するナオーン。その活躍に報いられ、ナオーンは多くの褒賞を得るが彼女はそれを喜べなかった。 (レオームが大陸を平定すれば確かにゴブリンやならず者たちが民を苦しめることは少なくなる。でも、あの人たちは古い時代の考えしか持たない。民は権力者の所有物だとか、民をその程度にしか考えてない。彼らが本当に民を虐げないと言い切れるの?) そんな彼女の疑念や不満をよそに、時代は大きな転機を迎える。冥王出現、レオーム軍崩壊、フェリル党再興・・・・・・。 世界がどう変わろうと彼女のやることは同じである。ただ義を成す。民を守る。ホアタの地にてナオーンは再びゴブリンの脅威に晒される人々を救い続けた。 今回の敵はゴブリンのみではなかった。南下してきたファルシス騎士団の残党も敵だ。彼らは祖国・ブレアの民に対しては騎士道精神を貫いてきたようであった。しかし、自分たちが窮している今、他所の国の民であるフェリル人に狼藉を働くことに何のためらいもないようだった。生き残りとはいえ、百戦錬磨の騎士たちは強い。ナオーンの仲間も何人もがその槍によって命を落とした。 「それに引き替え、ゴブリンとの戦は楽なものね」 ある日、いつものようにゴブリンたちを駆逐した後、ナオーンの口からそんな言葉が零れた。 「増長もそこまでだ。人間」 周囲に四属性の精霊たちが大量に出現しナオーンたちを取り囲んだ。今回の戦いでナオーンは少なからず油断していた。ゴブリンたちを深追いしてフェリル東の山中まで追い立ててきたのがあだとなった。 背に冷たいものを感じた。精霊たちの奥にいるゴブリンの魔術師たち、さらにその奥に控える年老いたゴブリンのことは聞いたことがあった。フェリルの大賢人・アスターゼ。あの魔王召喚の基礎理論を構築したという地上最高の召喚魔法使い。彼の者の放つ邪気がその場のゴブリンたちにも乗り移っているかのようであった。 ――ここは死地だ。 ナオーンは死を覚悟した。この場からより多くの仲間を逃がすためには、自分が突貫してアスターゼを斬りつけるより他ない。彼女の仲間たちもその気持ちを汲んでか、じり・・・・・・と次の動作のために動き始める。 ナオーンは疾駆する。フェニックスの喉笛を掻き切り、ベヒーモスを飛び越え、ジンの下を潜り抜けて前へ進む。ナオーンの仲間たちもアシッドクラウドを使いつつ、散開し、脱出のために動き始める。しかし、斬ってもかわしても召喚獣の群れは減るどころか増え続けており、目指すアスターゼは離れていくかのようであった。このままでは――。 弱気になるナオーンの元へ散開して逃げる筈の仲間たちが集まってきた。 「なんで戻ってきたの!?」 「リーダー。一人だけで格好つけないで」「逃げようにも逃げられないかんじだし」 「ナオーンがいなかったらあたしたち行くところないしね」「仕方ないからこの命やるよ」 これには勇気付けられた。今思えば自分だけ死んで、みんな生きてというのは身勝手だったかもしれない。ならば、全員生き延びるために。 そんな淡い希望を打ち砕く者が現れた。女盗賊の一人が地を貫いて現れた巨腕に掴まれ、命を落とした。断末魔の声もなく、虫けらの様に。小柄な彼女たちから見てもゴブリンとは小さな生き物だったが、今、目の前にいるそれはゴブリンの大きさ、ゴブリンの恐ろしさではなかった。フェリルの竜王・ルルニーガ。もう出し惜しみをしている場合ではない。ナオーンは考えるより先に動く。その速度ゆえ彼女の姿が10・20・いやそれ以上の数見える奥義。竜王は片手でその連撃を受け止める。何十ものナイフが突き刺さるが、腕を一振りしたのみでそれらはカラァンと無情な音をたてて岩肌に転がる。 「それで終わりか?」 「くっ・・・!」 万策尽きた。竜王がナオーンの細い首を掴み、持ち上げる。彼女の瞳から戦意が喪失した。 その時だ。飛来した矢がアスターゼ隊の魔術師たちを射抜いた。矢のうちの何本かはアスターゼへの直撃コースであったが、大賢人はこれを風の魔法で受け流した。 「行くぞ!ナオーンたちを死なせるな!」 救援に駆けつけたのはフェリル国を名乗る組織の者たちだった。率いているのはテステヌとマクセン。さらにはフェリル出身の名だたる英雄や流浪の神官までいる。 「「ナオーンを放せ!」」 速くかつ正確な射撃で竜王の腕を狙うはヘオトン。その者捉えることあたわずと言われる疾風の狩人なり。さらに、名うての傭兵イーサリーが二刀にて斬りかかる。竜王はナオーンを人質にしたりなどしない。さりとて、その二者を相手をして一歩も引かない。ナオーンを地に放し、片腕のみでイーサリーを圧倒する。その膂力、技量、尋常ならず。一合打ち合えばイーサリーの全身は悲鳴をあげ、二合目にて彼の二刀は粉々に砕かれる。イーサリーの手から血がにじみ出る。予備の刀剣に持ち替える、力量の差は歴然なれど尚もその闘志衰えず。 「立て!」 虚ろな瞳でその打ち合いを見上げていたナオーンに声がかかる。 イーサリーは確実に追い詰められていた。ヘオトンも、他の敵の相手をせねばならずイーサリーを援護できない。 (立たなきゃ。守らなきゃ) ナオーンが動き出す。接近戦用のやや大身のダガーナイフを両手に持ち、イーサリーと竜王の間に割り込む。打ち下ろされた竜王の豪腕を受け止めんとする。止められるわけはない。そのまま腹に一撃を喰らう。 「か・・・はっ・・・・・・」 視界が暗転する。義に生きたとはいえ、盗賊にすぎない自分にしてはマシな最期かもしれにない。彼女は自嘲じみた笑いを浮かべつつ、目を閉じた。 それが彼女の最期ではなかった。次に目覚めたとき、ナオーンはマクセンの腕の中であった。後で聞いたことであるが、あの救出戦の最中にファルシス騎士団がフェリル党の領内に攻め入り、それの対応のためにアスターゼ・ルルニーガらは退いていったらしい。不幸中の幸いか。それにしても、ゴブリンの底力とはこれほどのものか。いや、あるいはゴブリンという種族そのものが・・・・・・。考えたくはないことであった。これから嫌というほど戦うだろう相手が想像を超えて強くなっているなどと。いつになく弱気な彼女の表情を察してか、マクセンが口を開く。 「あんたは自分を盗賊に過ぎないと思ってるようだが、ホアタの人間はそうは思わない。あんたに助けられた人間は数知れない。あんたは間違いなくホアタの英雄だ。死なすわけにゃあいかん。・・・・・・に、してもあんた軽いなァ。それのよく見りゃあきれいな顔だ。どうだい、今度一杯。うげっ!」 この男はいつも一言多い。よほどいいところに入ったのか、ナオーンの拳でマクセンは情けない声を上げた。そんな彼のお調子者なところが今の彼女にとっては安らぎであった。それに、この狩人の腕は思ったよりもたくましく頼れるものに思えた。 「守られるのも、悪くない・・・・・・か」 そんなことを小声で呟き、ナオーンは目を閉じた。今は眠ろう。 それからナオーンはテステヌ、マクセンの作った国を見た。その国では民は君主の所有物などではなく、民も国の主も支えあって生きていた。 この鬼哭に際し、人間はつまらないわだかまりを捨て、ひとつになれたのかもしれない。 マクセンはナオーンにこれからの国のあり方を説いた。ナオーンもそれの賛同し、フェリル国の一員となった。 後にテステヌが死ぬとマクセンはその意志を継いだ。ナオーンは軍で最も大きな権限を与えられ、大フェリルと戦う。 その結果は芳しくなかったが、彼女の失策をマクセンが責めることはなく、ナオーンもよくフェリル国とその戦略を支えた。 後にフェリル連合が組まれると軍の総司令にはホーニングが就いた。左遷に近い扱いをされるも、ナオーンは 「戦術屋のやり方に戻れる」 と上機嫌であった。 支えあう人々の明日に光あれ。彼らの戦いは続く。 イイハナシダナー -- 名無しさん (2011-02-28 13 40 52) フェリル連合系のストーリーね -- 名無しさん (2023-11-21 11 27 43) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/vahren_ency/pages/478.html
絶望的な状況だが、グリーン・ウルスで始める限りは結構簡単。 敵のレベルが基本低いため、こちらが集中的にレベルをあげつつ、 有利イベントを発動させればほぼ無双 -- 名無しさん (2010-01-23 22 08 41) ちょwwオワン絶望的www -- 名無しさん (2010-01-24 23 06 27) シナリオを追うごとにリジャースドが暗躍して、段々と凄惨な展開に そして相変わらずのラクタイナさん S1へんたい、S3以降勇者なセレン -- 名無しさん (2010-02-02 23 02 35) なにこれ?オリジナルシナリオ? -- 名無しさん (2021-11-17 00 45 51) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/vahren_ency/pages/640.html
広範囲状態異常として敵の回復系を1手分遅らせることができる必殺技の中では厄介な部類。 キュアオールやキュアサイレンス持ちを優先的に巻き込めば長時間にわたって魔法系を無力化できる。 -- 名無しさん (2010-08-16 23 11 33) ノックバックが付き、近づく敵を纏めて押し返せるようになった -- 名無しさん (2013-03-17 01 11 54) 森林や海上での引き撃ち時、平原でナイトと会敵する時、乱戦中に陣形を立て直したいときなど 強い技ではないが汎用性は高い。 -- 名無しさん (2013-03-19 09 52 50) 沈黙はおまけ -- 名無しさん (2013-03-19 19 38 58) 一応対ルートガルトで出番があるっちゃあるが、一般しか沈黙しない。 だが、高めの抵抗なエルフもよく火に焼けるので少しのあいだだけでも魔法が止むのはいい。 -- 名無しさん (2013-03-19 19 46 49) いつの間にかダメージがつく仕様に戻った。 -- 名無しさん (2013-08-12 18 38 47) 敵を押し戻すには非力だし 敵を倒すには不便(味方の攻撃魔法の外まで押し出してしまう) 役には立たない -- 名無しさん (2020-03-14 20 11 47) かなり近距離で放つしかないがエルフィスは脆いのでいまいち活躍の機会がない -- 名無しさん (2023-06-23 09 10 30) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/vahren_ency/pages/716.html
自主亡命 リュッセル城下での、竜から下り手綱を引きながらの凱旋式で、セレンは救国の英雄として、総長ミシディシ以上の歓声を集めていた。ミシディシは支持はされても人気を集められない男である。それを自覚している彼は、市民にもみくちゃにされるセレンを特にうらやましがることもなく笑ってみていた。 ところが実際のところ、彼女らを取り巻く状況はあまり芳しいものではなかったのだ。 ミシディシをはじめとする上層部は既に彼女らと和解したと考えていたのだが、一般兵の中には戦時ゆえの特例だとみなしているものも多くいた。戦乱が終わった今、特例を解除し軍紀どおりに処罰を求める声が上がっていた。都督代の脱走など前代未聞だが、ミシディシ派が正統と見られていたために、軍紀に照らせばセレンは脱走兵扱いだった。脱走は死刑が原則である。 特に家族を失ったものも多い、リュッセル半島にいた直参を中心とする騎士の反発は凄まじかった。離反しなければもっと多くの家が救えたであろうと言うのだ。一方で彼女が戦乱の終結、半島の奪還に多大な貢献をしたことも確かであり、彼女は絶大な人気を集めていた。特に大出世ということもあり、郷士たちは熱心に彼女を支持していた。 彼女の処遇をめぐって、郷士と直参で内乱になりかねない程の諍いが繰り広げられていた。大陸の大半を支配する騎士団が内乱を起こしてしまっては元の木阿弥である。ミシディシは戦乱終結早々に難しい状況に直面していた。 ◆ 「ミシディシ、どうしたのですか?」 ようやく市民から解放されたセレンが執務室へやってきて言った。ミシディシは声をかけられてようやく顔を上げたが、その顔は険しい。 「知っているだろう。あなたとルオンナルの処遇についてだ」 「軍紀に照らして処刑……ですか?」 「そんなことをしたら早晩私が殺されてしまうさ。そしたらまた戦乱だ」 「処罰しないわけにもいかないでしょう。あの群衆の中にも直参派の人が紛れ込んでいて、売国奴呼ばわりされた挙句石投げられたりもしましたよ。次の瞬間にはぼこぼこにされてて、私が仲介に入ってやっと止まりましたけど」 「石頭の私が和解できて他の騎士に出来ないわけはないのだが、正直そんなに悠長に構えてられる訳でもない」 二人が余りに難しい顔をしていたからか、ルオンナルが笑いながら入ってきた。 「セレンと一緒なら国外追放とかでも良いけどね。書類にも追われないで済むしさぁ」 楽天家のルオンナルらしい意見にセレンがようやく笑った。それからふと何かを思いついたようにミシディシへ向き直った。 「自主亡命ということにします。それなら職に就く必要も、私の名誉が落ちることもないでしょう?」 「確かに自主亡命ならあなたの名誉は傷つかない。だが、それでいいのか?」 「いいですよ。ルオンナルもああ言ってますから」 「え? ホント? 二人でいっぱい旅行しようね!」 顔一面に笑みを浮かべながらルオンナルが後ろからセレンに抱きつく。セレンが驚いて振り放そうともがき、ルオンナルはもう抱きつくというよりしがみつくといった感じになっていた。ミシディシは目の前できゃあきゃあ騒ぐ二人を笑いながら見て、二人の自主亡命を認めることにした。 次の朝セレンとルオンナルがリュッセル城からいなくなった事が明らかになり、多少騒ぎになった。ミシディシが二人は旅に出る旨の手紙を残していることから自主亡命だという事を説明し、騒ぎは収まった。直参は彼女が公権力から消えたことに満足し、郷士は色めきたったがいなくなったのが本人の意志であるために、それ以上の追及は出来なかった。 二人の行方はようと知れないが、リグナム火山の付近に住む住人が、外海に向けて飛んでいく二匹の竜を見たのだという。朝日に照らされる二匹は、珍しい青系統の色だったらしい。 和解とかまじいいよね。 -- 名無しさん (2012-08-04 13 24 22) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/vahren_ency/pages/334.html
unit horustain base1 { name = ホルスタイン help = [[投票フォーム]]に潜む妖怪 text = 当然ながら本編では登場しないが投票フォームに項目が存在する。$ [[ホルス]]と勘違いしたかただの愉快犯かは謎だが恐らく後者であろう ; image = Char617 face = Face.bmp dead = (スタッフが美味しく頂きました) join = よくぞ雇ってくれた、褒美に私に投票する権利をやる。 class = orc2 friend = monster, orc member = orc * 7 } test こんな感じで晒して行くのはどうでしょう 某巨大掲示板でまさかの人気。上のを利用してそれっぽいのを作成 unit horustain base1 { name = ホルスタイン help = 正義の心に目覚めたウシ sex = female face = temp???.png image = Char??? class = holyk skill = a_holy,sp_momo friend = human, elf, mage, monk join = 私が来たからにはモー安心よ dead = モーやってられないわ hp = 1200 mp = 100 attack = 50 defense = 50 magic = 50 magdef = 50 dext = 50 hprec = 30 escape_range = 200 brave = 200 price = 0 power_name = モーレツ!モーモー王国 乳牛だけにメス…だと… -- 名無しさん (2009-10-25 17 56 33) 投票フォームで最浮上中、一体なんなんだコイツはww -- 名無しさん (2009-10-31 01 05 55) 乳牛とは限らんかもしれんよ… -- 名無しさん (2009-11-02 00 01 29) なお、正史には登場しない。 -- 名無しさん (2009-11-11 20 04 04) 最強説が囁かれてますけど、いるんですか? -- 名無しさん (2010-08-24 23 32 08) ↑昔、光の目(竜の出てくるシナリオ(仮))のver0.02あたりに登場してた。スキルとか全然違うけど。 -- 名無しさん (2010-08-25 07 33 23) 今はどこに出てるんですか? -- 名無しさん (2010-08-26 18 53 09) 出てきてほしい(小並感) -- 名無しさん (2017-01-11 00 12 08) ↑初期の光の目ってそんなノリだったのね -- 名無しさん (2020-07-05 15 06 24) 光の目の作者? -- 名無しさん (2023-04-30 00 49 53) ホルスの強い版 -- 名無しさん (2023-10-09 17 57 05) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/vahren_ency/pages/731.html
天使のように 北の果て、そこは全てが凍りつくような白い大地である。まだ幼かったロザイナは単身、雪原を進んでいた。幼い娘がたったひとりでこの雪原を抜けるのは不可能だろう。ついには力尽き、涙は枯れ、最後にひねり出すように言葉を紡ぐ。 「もう歩けないよ…。神さま……」 彼女は信心深い両親に育てられた。このとき、なぜ幼い彼女がたったひとりで雪原を歩いていたのはかは想像に難くない。 かねてから、彼女は人の前では笑い、神の前で泣くようにと教えられてきた。だが、この状況で神を仰ぎ見ることは死を覚悟するのと同じではなかろうか? 実際、彼女は神の名を呼びはしたものの既に絶望しようとしていた。 そこに、一陣の風が吹き渡った。風は暖かく、吹雪と雪雲を晴らし、天への道を作る。久方ぶりに見る太陽は神々しく、彼女を優しく照らす。ロザイナは天を仰ぐ。そこに天使がいた。天使は軽やかに空を舞い、彼女にほほえんだ。 からだに力が湧いてくる。ロザイナは再び歩きはじめた。 あの日見た天使のようになりたい。その一念から彼女は空を求めた。独学で飛行魔法を学び、各地を遍歴しながら戦災にあえぐ人々を救って廻る。海には医療施設が不足していると聞き、ローイス海を目指す。ローイスの島から島へと船も なしに空を飛んで廻り、多くの人がロザイナに救われた。その途中でナース水軍の残党に彼女は襲われた。人を傷つけることはできない、空を飛んで逃げる。その後の成り行きでレオーム軍へ参加することとなる。しばらくは神官として将兵や領民たちの助けとなって過ごした。 そして、王都攻略戦。彼女に大きな転機が訪れる。王都から溢れ出た死霊の群れによって軍は壊滅。彼女の部隊も彼女を除いて全員が死亡した。 兵や聖職者は死ぬのを覚悟している。だが、死霊たちはルートガルトの無辜の民をも無差別に虐殺しはじめた。 ロザイナは恐怖した。それは海賊たちに襲われたときのものとはまるで違う。幼い頃にみた天使はこの世に射す光であったが、その時彼女はこの世を飲み込む闇を目の当たりにしたのだ。気がつけば彼女は王都から脱出した他のレオーム軍残党に保護されていた。恐らく、死霊の群れをどうにかして抜け、海を越えたのだろう。ひとり、戦友と民を見捨てて。 フェリル国に身を寄せた彼女であったが、自分がなにをすべきなのか、見失いつつあった。彼女の力を求める声に応じはしたが、かつての彼女の慈愛に満ちた表情はない。空を力なく漂う姿は煌びやかさや神々しさとは無縁であり、風が吹けばいずこへ消えてしまうのではないかとさえ思えた。 「私は……天使になれない……」 フェリル国は急速に勢力を増すゴブリンたちに押されていった。軍を支える神官である自分がしっかりしないからと、彼女は責任を一人で背負い込み、さらに追い詰められていく。 フェリル国がホアタ平原での会戦で負け続け、ついにはホアタの町をゴブリンたちに奪われる。ロザイナは撤退していく味方をよそに、ひとり町に残った。最後まで救助を続けるという名目であったが、本当はここで死ぬつもりだった。それまで自分たちを慕い、支えてくれていたホアタの民が殺されていく。町が燃え、悲鳴がこだます。あの時と同じ。自分はこんなにも無力だ。 ロザイナは街中に立ち尽くし、空を仰ぎ見る。炎と煙に覆われたその空は重くのしかかるようであった。 「おい、あの白いニンゲン、チルクが殺すように言ってた奴だ」 「ひとりだ、今なら殺れる」「ヒャッハー!」 血に飢えた群狼がロザイナを見つけ、襲い掛かる。ロザイナは目を閉じた。これで、終わる……。 ――。ピシャッ……。顔に生温かいものを感じた。目を開けると視界が赤い。名もなき兵がロザイナの盾となったのだ。ロザイナは今際の際に何一つ言い残せず、名も知られずに死んだその兵を抱き起こす。よくよく顔を見れば、その兵はつい今朝方、彼女が治療した兵であった。彼はルートガルトに母親を残してきており、自分よりも母親の心配をしていた。 傷を看てくれるロザイナを見て「母さんを思い出す」などと彼は言い、ロザイナの部下がそれに抗議したりしていた。ロザイナ本人は無心に治療を続けていたのだが……。 「あ……」 透明なものが視界を濡らす。彼女は既に息絶えたその兵士を残し、空へと飛び立った。 それからしばらくして、フェリル国は体勢を立て直し、三国同盟の実現のために動き出した。歴史の中心人物ではないものの、その動きの中で天を舞う神官・ロザイナは確かに存在したのである。そして、彼女は目撃する。フェリル連合の成立を。 人々は手を取り合い、巨大な敵に立ち向かう決意を新たにした。ロザイナもその中で再び空を目指す。今度こそ、天使になろう。そう誓って……。 西の海を見つめる彼女の顔を小柄な少女が覗き込んでくる、潮風になびくしっとりとした青髪を軽く押さえ、少しだけ人を食ったような態度をした娘であった。ニーナナス。ローイス水軍の首領である。 「あなた、遍歴の僧なんでしょ。俗世の争いに死ぬまで付き合う必要ってあるのかしら」 今やロザイナ以外に戦場に立てる僧はいなくなっていた。次に戦えばロザイナも生きて帰れる保証はない。死ぬまで、という言葉は冗談ではなくなっていた。 「私の無力さゆえ、これまでたくさんの人々が亡くなりました。私のような者が人を救おうなどというのがそもそもおこがましいのかもしれません。ですが、私たちの後ろにあるシャンタル島にはルートガルト、ホアタ、ローイスの島々から集まった人々が闇に怯え、光を求めています。もしかしたら、私が光となれるかもしれない。そのためになら、この命、惜しくはありません」 「かなり重症ね。天使になるだとか公言してはばからないって噂は本当だったの。ま、いいわ。あなたが死ぬのは構わないけど、その考えを布教して廻るのはやめなさいよ」 棘のある言葉を残し、ニーナナスは去った。 それから程なくして、大フェリルの襲撃があった。ゴブリンたちは人間から奪った船だけでなく、即席で筏(いかだ)や小船、果てはただの丸太や泳ぎでもって海路を埋め尽そうとする。先駆けて襲い掛かるのは水の召喚獣たちであった。 海竜・リヴァイアサンたちが水のブレスを吐き、巨体をぶつけて、フェリル連合の艦船を攻撃する。海にまではゴブリンは追って来れない、そう思っていた部分もあったのか、連合の将兵は油断していた。 慌てふためき、統制を欠いた艦隊は矢と魔法を乱射して応戦しようとするも、魔法はウンディーネの作った泡で完封され、弱弱しい矢はリヴァイアサンの群れには意味がない。見る見るうちに、状況は悪くなる。 「ルーネン、右!」 「はい、お姉さま!」 連合側の海竜が引く小型艇に乗り、ニーナナスは別働隊を率いていた。 正面の空の敵を正確な射撃で撃ち落し、群がるものは斬り捨てる。ルーネンもまた、ウンディーネたちを指揮して小型艇が一度に捌く敵と魔法の数を減らす。海竜を御し、船を動かしているのもルーネンである。一方、連合本陣の敷かれた旗艦では二刀の剣士、イーサリーが孤軍奮闘。既に本陣にすらゴブリンたちが溢れており、乱戦になっている。ホーニングをはじめとする騎士たちも槍を振るって戦う。騎馬はもちろんのこと、陸の戦士たちは船上では力を発揮できない。それはゴブリンたちも同じであろうが、海賊たちが戦闘前に言っていた「海の上でなら負けない」という持論はすでに崩壊していた。総司令、マクセンのもとにも無数の敵が集まってきている。引っ切り無しに矢を放ち続けたせいで、マクセンの弓の弦が切れた。 「もう弦が切れたか。後退する」 船上で乱戦になっているとはいえ、まだ安全なエリアはわずかにある。マクセンは一度後退しようとした。だが、そこにピンポイントで煙玉が投げ込まれる。視界が奪われ、マクセンは方向感覚を失う。その隙に容赦なくゴブリンたちが襲い掛った。 「総司令が危ない」「誰か、手の空いている者は」「こっちも手一杯だ!」「マクセン殿!」 ――その時、天から一筋の光が射した。 ゴブリンたちが弾き飛ばされる。霞がかった空からゆっくりとそれは降りてきた。剣戟の音や怒号は止み、一瞬の静寂が訪れる。 ロザイナだ。ロザイナが来たのだ。煙によって傷めたマクセンの目にロザイナはそのたおやかな手をかざす。マクセンの視界が次第に回復していく。 「上空からホーリーレイか。助かった……んだが、船に穴が開いたぞ」 「すいません、他に手が思いつかなくて…」 「まぁいいさ。煙で目をやられたのか、あんたがマジで天使に見えたぜ」 「マクセン殿はいつも冗談ばっかり。天使にはなれませんが、せめて天使のように……」 と言い、スカートの端をつまみ、恭しく頭を下げると、ロザイナは再び空へと飛び立っていく。ゴブリンも人間も思わずその姿に見とれていた。 いや、見とれていたわけではない。ゴブリンたちは空にあるあの余りにも目立つ目標を第一のターゲットに定め、人間たちは第一の重要な支柱だと再確認した。両軍の動きが変わる。大フェリル側は、連合旗艦への波状攻撃の準備をしていた後続の部隊を、すぐさま対空射撃主体の編成に変更した。狙いは勿論ロザイナ。連合側は、矢文を船から船へと渡し、急いでニーナナスら別働隊に伝達。ロザイナを援護するように伝える。この動きを空から俯瞰したロザイナはあえて囮を買って出る。空に浮かぶたった一つの的に向かって何百、何千という投石と魔法が放たれる。ロザイナは風の召喚獣らよりも高く、もっと高く舞い上がる。飛行魔法は悪魔や竜のように速い動きや急な軌道変更はできない。上空まで届いた何発かの投石は体をよじるようにしてなんとか回避し、弾速の速い魔法はシャイニングで相殺する。 ロザイナの陽動が功を奏して、連合の他の部隊は体勢を立て直していった。目を上空に向けたせいで、ゴブリンたちの後方の注意がおろそかになる。裏へ回りこんだナオーンの部隊が奇襲をかける。しばしの混乱の後、ナオーン隊に対応しようとゴブリンたちがそちらに兵を割こうとした頃、息を吹き返した連合本隊が船を突き合わせ、矢の雨を浴びせる。矢と共に騎士たちが飛んできた。「飛んできた」としか言いようがないほどの速さだった。ゴブリンたちの陣は一瞬にして突き破られ、分断され、各個撃破される。久方ぶりの勝利の兆し。連合の将兵の気勢が上がる。彼らは夥しい数のゴブリンを屠り、海へ突き落とした。しばしの戦闘の後、見止められるエリアからゴブリンたちの姿は消えていた。連合の将兵は勝鬨を上げ、勝利を叫んだ。 ロザイナもまた、手近な船に降り立ち、荒い息をはく。彼女の表情が本来の柔和なものへと変わっていった。 見張り台の兵が上ずった声をあげる。西の方よりさらなる敵影。その数は先ほどのゴブリンたちの数倍。そう言えば、先ほどのゴブリンたちの中に名のある個体は見当たらなかった。これまではほんの小手調べだったのだ。人間たちは途方にくれる。 「また、負けか」 「その台詞も聞き飽きましたよ。で、また私が殿軍ですか?」 マクセンとイーサリーがいつものやりとりをしている。さすがのイーサリーもこの状況で殿軍をやれば生きては帰れない。 ナシュカの進言もあり、殿軍はニーナナス隊とロザイナが務めることとなる。 この命令を聞いたニーナナスは仕方がない、と肩を落とし、ロザイナは意を決した。 もう何体の敵を撃退しただろうか。刀折れ、矢尽きるというほかない状況であった。いくら技や魔力に優れるとはいえ、少女たちの体は脆い。先に限界が来たのはロザイナであった。それもその筈。彼女は飛行魔法と光魔法を同時に行使し続けているのだ。途中で船に戻って、小休止してはまた飛び立って、といった具合に無理に無理を重ねてきた。今日、何十発目かのシャイニングを放とうとした時、光球は形を成す前に掻き消え、自分の意識と高度が落ちていくのを感じた。そして激痛。 体勢を崩したロザイナに熟練兵のエアカッターが直撃したのだ。 「天使…の翼が……折れました……」 ロザイナの姿はひらひらと一枚の羽毛が舞い落ちるようであった。しばらくした後、容赦ない「落下」の軌道へと吸い込まれる。 その下に待ち受けるのは血を欲したゴブリンの群れ。このまま落ちればロザイナは――。 「ルーネン、バブルを。あれをやるわよ!」 「ええっ!? あれやるんですか?」 「決まってるでしょ!」 ルーネンは生き残ったウンディーネたちと共に残る魔力を振り絞って大量の魔法の泡を形成する。泡の集まりは不安定ではあったが天への階段を作り上げる。その泡の階段をニーナナスが駆け上がる。蒼い風となったニーナナスは天から降ってきたロザイナを空中で抱きとめる。 傷付き疲れ果てた天使を抱えたまま、泡でできた舞台に上がった舞い手はゆっくりと泡とともに水面に下りてきた。周囲の観客たちにいたずらっぽく微笑みかけると、水の舞姫・ニーナナスは大きく飛び上がる。瞬間、ルーネンがバッと手を水平に薙ぐと泡の舞台が一斉に破裂する。水飛沫は弾丸となり、ゴブリンたちは悉く吹き飛ばされた。 ロザイナ、ニーナナス、ルーネンらは生還を果たした。だが、次にロザイナが目覚めるときにフェリル連合という勢力はこの世にはなかった。人間はゴブリンに負けたのである。だが、地上に人の命がある限り、光を求める声がある限り、天使が再び空を舞う日も訪れよう。 どうか神よ、今はただ、彼女たちにしばしの休息を与えたまえ。 力作だなあ ロザイナ可愛いよロザイナ -- 名無しさん (2012-09-17 00 03 45) ううむ、素晴らしい出来 最近いい流れが続くね -- 名無しさん (2012-09-17 01 37 38) かっこいいエンドだ -- 名無しさん (2023-04-30 11 19 45) 名前 コメント